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漢方

当院では、整形外科疾患に対して「漢方医学」の考え方を取り入れた治療を行っています。薬や注射、リハビリだけでは十分に改善しない慢性的な痛みやこり、冷え、だるさなどに対し、体の内側から整えて症状の根本改善を目指します。整形外科専門医としての視点と、漢方的なアプローチを組み合わせることで、より自然な形で体調を整え、痛みの再発予防にもつなげています。

漢方治療とは

漢方は、古くから日本人の体質に合わせて発展してきた伝統医学です。病気そのものよりも、「人」を診るという考え方が特徴で、同じ症状でも体質や生活習慣によって処方が異なります。

整形外科の分野では、次のようなケースで漢方治療が効果的とされています。

  • 慢性的な肩こりや腰痛
  • 関節の痛み(変形性関節症など)
  • 手足の冷えやしびれ
  • 筋肉のこわばり、こむら返り
  • 術後の回復が遅い
  • 更年期以降の関節痛

このような症状は、レントゲンなどの検査では異常が見つからないことも多く、「年のせい」や「体質だから」と諦めてしまう方もいらっしゃいます。漢方はそうした“見えない不調”に対して、全身のバランスを整えることで改善を目指します。

整形外科で用いられる代表的な漢方薬

整形外科領域でよく使用される漢方薬には、以下のようなものがあります。症状だけでなく、冷えや体力、発汗の有無などを含めて処方を選びます。

主な漢方薬名 期待される効果・特徴
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) 筋肉のけいれんやこむら返りに有効
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう) 冷えによる関節痛・肩こりに効果
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 冷え・むくみ・月経に関連した痛み
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん) 腰や下肢の痛み・しびれ・排尿トラブル
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう) 関節の腫れやむくみがある痛みに有効
八味地黄丸(はちみじおうがん) 加齢に伴う腰痛・膝痛・冷えに対応
五積散(ごしゃくさん) 肩こり・神経痛・冷えを伴う痛み
疎経活血湯(そけいかっけつとう) 血流の滞りによる関節痛や筋肉痛

これらの漢方薬は、即効性はありませんが、体質改善を通して「痛みが出にくい身体」を作ることを目的としています。

漢方治療の特徴

1. 体全体を整える

整形外科では痛みの部位に注目しがちですが、漢方では全身のバランスを重視します。血流や代謝、ホルモンバランス、自律神経の働きなど、身体全体の調和を図ることで結果的に痛みが軽減されることがあります。

2. 西洋医学との併用が可能

漢方薬は、西洋薬(痛み止め、血圧薬など)との併用が可能な場合が多く、補助的な治療として取り入れられます。副作用も比較的少ないため、長期的な体調管理にも向いています。

3. 慢性的な不調に有効

「薬を飲んでも良くならない」「リハビリを続けても痛みが取れない」といった慢性症状の背景には、血流の滞りや冷え、ホルモン変化などの体質的要因が関係していることがあります。こうした根本的な部分に働きかけるのが漢方の強みです。

当院での漢方治療の進め方

当院では、整形外科専門医の診察のもと、患者さん一人ひとりの体質や生活背景を丁寧にお伺いし、最適な漢方薬を提案します。

  1. 問診
     体の状態や冷えの有無、睡眠、食事、便通などを伺います。

  2. 診察
     整形外科的な検査(レントゲン・エコーなど)を行い、骨や関節の状態を確認します。

  3. 漢方処方
     症状と体質を総合的に判断し、適切な漢方薬を処方します。必要に応じて西洋薬と併用します。

  4. 経過観察
     定期的に状態を確認し、季節や体調の変化に合わせて処方を調整します。

治療の効果は2~4週間ほどで現れることが多く、長期的な体調改善を目指します。

漢方が有効な整形外科疾患

漢方治療は以下のような整形外科疾患や症状に活用されています。

  • 変形性膝関節症
  • 肩関節周囲炎(五十肩)
  • 腰痛症・坐骨神経痛
  • 頸椎症・肩こり
  • 手足のしびれ・こむら返り
  • 更年期に伴う関節痛
  • 骨粗しょう症による痛み
  • 手指の関節炎(へバーデン結節など)

また、手術後の回復促進や、痛み止め薬の減量を目的として漢方を取り入れるケースもあります。

更年期と整形外科疾患

女性の更年期では、女性ホルモンの減少により骨密度が低下するだけでなく、関節や筋肉の痛み、手指の変形などが起こりやすくなります。漢方はホルモンバランスを整え、自律神経や血流の改善にも役立つため、更年期に伴う整形外科症状の緩和にも有効です。

よくある質問

Q1. 漢方薬はどのくらいで効果が出ますか?
A1. 個人差がありますが、体質に合っていれば1〜2週間で変化を感じる方もいます。根本改善には1〜3か月程度の継続が目安です。

Q2. 保険は使えますか?
A2. 当院で処方する漢方薬の多くは保険適用です。症状や処方内容によっては自費になる場合もあります。

Q3. 西洋薬と一緒に服用しても大丈夫ですか?
A3. 多くの場合は併用可能です。ただし、特定の薬との飲み合わせに注意が必要な場合もありますので、必ず医師にご相談ください。

院長より

整形外科の診療では、レントゲンやMRIに写らない痛みや不調で悩む方が多くいらっしゃいます。その背景には、体の冷えや血流の滞り、ストレスなどの「体質的な問題」が隠れていることがあります。漢方はそうした体のサインを整える治療です。私たちは、痛みを抑えるだけでなく、患者さんが本来の元気を取り戻せるような診療を心がけています。

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